日本認証が発行している機械安全の資格である、
セーフティサブアセッサ(SSA)試験の勉強法と試験対策について解説します
SSAと言っても、
埼玉スーパーアリーナのことではないですよ(;・∀・)
セーフティサブアセッサ資格(SSA)とは
まず、セーフティサブアセッサ資格について説明します
セーフティサブサセッサとは日本認証株式会社が発行している、
機械設計の段階で安全設計するための知識や、
能力を有することを証明する資格です
近年、機械の安全性の要求は日々高まってきており、
設計者はより安全な設備や機械を設計することが求められています
安全な設備を設計するためには設計段階で、
リスクアセスメント(RA)を行う必要があるのですが、
このリスクアセスメントをするためには、
セーフティサブアセッサの知識が不可欠となります
近年では各メーカー企業でも機械設計者やエンジニアは、
セーフティサブアセッサ資格の取得がノルマにされているケースも珍しくありません
かくいうダルクも会社に言われて資格の勉強はじめませた
セーフティサブアセッサ(SSA)の合格率
セーフティサブアセッサ(SSA)の気になる合格率はというと、
毎回約50%前後というところです
それほど難関というわけではありませんが、
決して簡単な試験ではありません
おそらくSSAを受けようとこのブログにたどり着いた読者の方の中には、
自分からSSA資格について調べて自己研鑽のために受けようと思った方よりは、
おそらく会社に指示されて受けることになってしまった方が、
多いのではないでしょうか(;・∀・)?
会社の指示で受けるからには合格しないと評価が下がるかもしれない
でも合格率は50%と決して高くない
しかも過去問や問題集が本屋にないから勉強の仕方もわからない
どうしよう(´・ω・`)!?
って人もいるのではないかと思います
私もそうでした(笑)
ダルクは一回目の受験で不合格になり、
上司にめちゃくちゃ怒られました
2回目は1回目の経験を活かして猛勉強して合格しています
セーフティサブアセッサ(SSA)試験の勉強法
私の不合格と合格の実体験をもとに、
読者の方が1回目の受験で合格できるよう、
私が実践した勉強法について解説します
セーフティサブアセッサ(SSA)試験の試験内容
セーフティサブアセッサの試験内容については以下になります
- 学科試験 …90分
- ケーススタディ …90分
それぞれの勉強法について述べていきます(=゚ω゚)ノ
セーフティサブアセッサの学科試験の対策・勉強法
筆記試験については、〇×の選択問題か、穴埋めの選択問題しかありません
応用問題は基本ないので、テキスト丸暗記で対応できます
受験が決まった時点で講習会に行くとテキストを2冊貰うと思いますが、
これを地道に覚えていけばよいだけですので、
最悪2日前からでもどうにかならなくはないです
ただ、そうはいっても覚える量が多いし、
過去問から、特に出題率が高いポイント整理して解説します
学科試験の対策・勉強法①: リスクアセスメントフローチャート穴埋め
過去出題率100%です
絶対にここだけは図ごと丸暗記しましょう
この図の穴埋めが絶対出ると思ったがいいです(+_+)
この図だけは叩き込んでください
学科試験の対策・勉強法②: 3ステップメソッド
リスクアセスメントのフローチャートと合わせて、
ほぼ100%出題されます
3ステップメソッドとは、
①本質的安全設計
②安全防護方策+付加保護防策
③使用上の情報
の3つです
①本質的安全設計とは、
危ないところを無くすということです
例えば、机の角が尖って危ない場合は、
机の角を丸くすれば危険そのものを排除できます
本質的安全設計ができない場合は、
②安全防護方策+付加保護防策をとります
安全防護方策+付加保護防策には、
- ガード …危ないところに触れないようにする
- 保護装置…止まっている時だけ、危ないところに触れるようにする
- 付加保護防策…その他のハード対策
があります
例えば、
ガードは保護カバー
保護装置はインターロック
付加保護方策は非常停止
が該当します
それでもリスクを低減できなかった場合は、
③使用上の情報で対応します
使用上の情報とは例えば、
「高温注意!!」とかの表示を付けたりすることです
これらの3ステップはしっかり理解しておきましょう
学科試験の対策・勉強法③: 国際規格体系
国際規格体系も比較的高い確率で出題されます
国際規格体系は三階層に分類できるので、
どの規格がどの階層かは頭に入れておきましょう
◆A規格<機械安全規格>
ISO12100:リスクアセスメント・リスク低減
◆B規格<グループ安全聞規格>
ISO13849:安全関連部
ISO13850:非常停止
ISO13854:最小すきま
ISO13857:安全距離
ISO14118:予期しない起動
ISO14119:インタロック
ISO14120:ガード
◆C規格<個別製品企画>
ISO10218:ロボット
ISO11553:レーザー加工機
ISO23125:旋盤
ISO26262:自動車
A→Cになるほど具体的になっていくよ
学科試験の対策・勉強法④: 安全隙間の値
安全隙間も穴埋めにしやすいのでかなり高確率で出題されます
下記の図は必ず頭に入れましょう
人体部位 | 人体 | 頭 | 脚 | 足 | つま先 | 腕 | 手 | 指 |
最小隙間 | 500 | 300 | 180 | 120 | 50 | 120 | 100 | 25 |
ほかにもメッシュの隙間とか安全距離の求め方などを、
しっかり覚えておきましょう
学科試験の対策・勉強法⑤: 押しボタンや配線の色
色系の問題も選択肢にしやすいので高確率で出題されます
一例として押しボタンの色についてまとめました
◆押しボタン
- 非常停止 …赤
- 起動時のアクチュエータ …白、緑が望ましい 赤は使用不可
- 停止用アクチュエータ …黒が望ましい 緑は使用不可、赤は使用可だが、非常停止と離すこと
- ホールドトゥラン …白、黒、灰色が望ましい、赤、黄色、緑は使用不可
- リセット押しボタン …青、白、黒、灰色とする ただし青は停止用としては使用しない
かなりまどろっこしいので頑張って覚えましょう
セーフティサブアセッサのケーススタディの対策・勉強法
さて、おそらく受験者の大半が勉強法に悩むのはケーススタディでしょう
実際、不合格者の大半はケーススタディで不合格になります
ケーススタディの合格ラインは7割正答です
今回はケーススタディで押さえておくべきポイントと、
具体的な勉強法について解説します
ケーススタディの対策・勉強法 ①:絶対に反復演習してシートの書き方に慣れておく
まず、勉強法以前に一番大事なことを言います
絶対にケーススタディは反復演習して、
シートの書き方に慣れておくこと
よく、テスト直前になると、
学科は暗記しないといけないけど、
ケーススタディは当日何とかなるはず
という人がいますが、絶対落ちます(;・∀・)
多分講習会に行った方は、
汎用旋盤と溶接ロボットの演習問題を持ってると思いますが、
断言します
本番の試験は演習問題の3倍は量も多いし難しい
演習問題ができたから本番もいける(*´▽`*)
とか思っていると確実に面食らって、時間切れになります
必ずこれから解説するポイントを押さえて、
時間を計って何度も演習問題を解き、
回答文を書くのに慣れておいてください
演習問題くらいの量だと、
50分で出来ないと本番がキツイと思ったほうがよいです
ケーススタディの対策・勉強法 ②:減点されない書き方を意識する
7割が合格点なのでちょこちょこ減点されると厳しいです
当たり前ですが正しい書き方で減点を避けましょう
書き方は、
「だれが」+「(いつ)どんなきっかけで」+「どうなって」+「どんなケガした」
です
◆減点されない例
作業者が …(だれが)
+ブレーカーをONする際 …(いつ)
+端子カバーがないので …(どんなきっかけで)
+充電部に誤って手で触れ …(どうなって)
+感電し死亡する …(どんなケガ)
◆減点される例
ブレーカーをONするときに
感電する
この場合、
「誰が」、「どんなきっかけで」、「どうなって」が書かれていないので、
大幅減点を食らいます(;・∀・)
また、「感電する」とか「挟まれる」だけではケガの重篤度がわからないので、
これも減点されます
わかりきっていても、
「感電して死亡」、「挟まれて骨折」までしっかり書きましょう
ケーススタディの対策・勉強法 ③:汎用性抜群のきっかけワードを活用する
試験本番の問題は、
演習問題と異なりめちゃくちゃ作業内容の量が多いです
よって、複雑なきっかけや事象を想定しょうとすると、
本当に時間が足りません
そんなときに便利な魔法のフレーズをお教えしましょう
だいたい、「きっかけ」の部分は8割このパターンで回答できます
それはズバリ、
「不用意に手を出す」&「誤って〇〇する」
のフレーズです
例えば、プレス機でプレスを危険源として回答しようとしたとき、
問題文の作業状況を熟読てして回答すると、
作業者が、
材料を材料コンテナから取り出し、材料をセットする際、
ワークセット位置付近にあるプレス降下ボタンに触れてしまい、
材料セット作業中の指をプレスで挟んでしまい、
指の骨を骨折
みたいな文章になるかもしれません
悪くわないのですが、毎回こんなカンジに書くと時間が足りなくなります
その点、先ほどの便利なパターンを使えばこうなります
作業者が、
プレス作業中、
降下しているプレスに不用意に手を出し、
指を挟まれ骨折する
どうでしょう?
あんまり細かい事象を書かなくとも簡単に一個のフレーズが書けます
このフレーズの素晴らしいところは、
どんな危険源に対しても、8割くらい使えてしまうことです
充電部
高温部
回転部
可動部
問題のイラストや危険源リストを見たら、
ます、「不用意に手を出す」というフレーズが適応できるか検討しましょう
8割くらいは適応できます(+_+)
このパターンで回答する癖をつけとくと、
回答時間が大幅に短縮できます
もう一つのパターンが、
「誤って○○する」というフレーズです
人はミスをするという前提に立った回答のしかたですね
例えば、
「誤って手を触れる」
「誤って転落する」
「カバーを付けるのを忘れる」
「押すボタンを間違える」
などなど、あくまでも想定できる範囲で作業者のミスを想定すると、
回答がスムーズにできます
これらの、
「不用意に手を出す」&「誤って〇〇する」 のきっかけワードを活用するのが、
合格への道です
ケーススタディの対策・勉強法 ④:危険度の高い危険源を見逃さない
意外と見落としがちなのですが、
ケーススタディの採点基準は、許容不可能なリスクの元になる、
危険源を全て同定することです
なので、
例え回答欄を10個埋めて減点されない書き方をしたとしても、
重篤な危険源を、危険源として挙げていない場合は合格は厳しいです
実際の試験問題では、
おそらく危険源リストには20個以上の危険源があると思いますが、
20個の中から、あまりリスクを生まない危険源を10個選ばないようにしましょう
滑った、転んだ、腰を痛めるなどのしょうもないものばかり選ぶと、
不合格になりますよ(;・∀・)
プレスや主軸、電源は基本危険
多少安全対策がしてあっても、
危険源にならないか十分検討しましょう
ケーススタディの対策・勉強法 ⑤:電源の危険源の回答パターンを憶えておく
電源や電装盤の回答パターンはこの2つだけ憶えときましょう
- 端子カバーがない場合 →充電部に触れて感電死
- 接地(アース)がない場合 →漏電しており感電死
このパターンだけで回答欄が埋まります
ケーススタディの対策・勉強法 ⑥: 設備設計や安全防護方策の不備を突く
インターロックやカバーの不備、
設備設計の不備を突く回答パターンです
出題率が多いパターンをまとめます
- はしご …落下防止柵がないので落下して死亡
- 非常停止 …主軸に巻き込まれても、非常停止が手の届かない場所にある
- スイッチ …色が不適切で操作を間違え、結果としてケガをする
- 安全カバー・安全柵 …一応あるが用をなしていない
- インターロック …停止カテゴリーの不備
これらは危険源として書くことができます(=゚ω゚)ノ
ただし、書き方が難しく減点されやすいので、
減点されない書き方を身につけておかないといけません
以下に、減点される書き方と、減点されない書き方の例を示します
(汎用旋盤の例)
◆減点される書き方
危険源:非常停止ボタン
作業者がワーク加工時、
誤って主軸に巻き込まれて、非常停止できず、
腕を骨折する
この場合、非常停止の設計不備を明記していないので、
主軸が危険源だと判断されます
他の回答で主軸をすでに危険源に上げていた場合、
回答の危険源がダブってしまっていますね(;^ω^)
◆減点されない書き方
危険源:非常停止ボタン
作業者がワーク加工時、
誤って主軸に巻き込まれた際、
非常停止ボタンが手の届かないところにあるため、設備停止できず、
巻き込まれ続けて腕を骨折する
この回答パターンだと、
非常停止ボタンの設備的な不備を明記しているので、
非常停止ボタンが危険源として認められます
ケーススタディの勉強法は、とにかく書き方を憶えることです
ケーススタディの対策・勉強法 ⑦: 身近な設備や機械でRAをしてみる
上記のポイントを押さえたら、
後は実践あるのみです(/・ω・)/
身近にある機械や作業を想定し、自分でRAを実践してみましょう
応用力がかなり身につきます
ちなみに、身近に機械がない人は、
「週末のドライブ」とか、「会社の忘年会」みたいな、
他愛もないことから連想するのもいい勉強になったりします
RAというよりはKY(危険予知)になってしまいますが、
やらないよりはるかにいいです
例えば「カレーを作る」を例にしましょうか
危険源は何がるでしょう?
ぱっと思いつくのは、
「包丁」、「コンロの火」、「高温になった鍋」なんかでしょうか?
次にケガをする作業ときっかけを考えましょう
きっかけは、先ほどの「魔法のキーワード」を使いってみます
危険源:包丁
作業者がジャガイモ切断時、
ジャガイモの持ち手の位置を誤っていたため、
包丁で指を切創する
危険源:コンロ
作業者がカレーを煮込んでいる際、
コンロの火に不用意に手を出し、
指を火傷する
さらに、危険源を鍋とした場合も、
この回答パターンを使いこなせば全く同じパターンで書けます
危険源:鍋
作業者がカレーを煮込んでいる際、
高温になっている鍋に誤って手を出し(不用意に手を出し)、
指を火傷する
こんなカンジで身の回りの事象で訓練してみましょう
この時、「魔法のフレーズ」の使い方も訓練するといいです
ケーススタディの過去問の傾向
最後に、気になる過去問の傾向について共有しておきます
大体以下の通りです
- プレス機 …過去出題率かなり高め
- 射出成型機 …こちらも出題率高め
- オリジナル機械 …紙の裁断機、複合加工機など
射出成型機が良くわからない人は、
YouTubeで機械の動きだけでも把握しておきましょう(=゚ω゚)ノ
知識ゼロからでは厳しいです
また、大体射出成型機の材料は高温で有毒ガスを出す設定だったり、
設備自体が高温になるので、
「物理的・電気的」以外に「化学的・熱的」な危険源を見つける視点でやると、
意外とうまくいくと思います
個人的な感想なのですが、
オリジナル機械の方が、危険な場所があからさまだったり、
作業内容が深堀りされていないので、意外と簡単です(/・ω・)/
リアル機械の方が作業内容が作り込まれているので、
結構難しい印象ですね(;^ω^)
近年はアスベストが危険源になっていましたが、
正直知識がないと、リスクも積もりできないですよね(;^ω^)
最後に:セーフティサブアセッサ試験は反復演習で必ず受かる
ここまで読んでくださってありがとうございます(/・ω・)/
上記のポイントをしっかり押さえていれば、
セーフティサブアセッサ試験は確実に合格できます
あとは訓練あるのみです(+_+)
皆さんの勉強の一助になれたら嬉しいです(+_+)
ご武運を(/・ω・)/
よければコチラも押してくださると、
記事が増えます(*´▽`*)↓
資格・スキルアップランキング
コメント
私もケーススタディで不合格になって、2回目で合格しました。
一発合格者に聞いたところ、ケーススタディは作業者に色んなパターンで最低5~6回以上は死亡または切断等の超重症を負ってもらうのがコツでした笑
ワークを足に落としたりの打撲や、切傷などの軽傷はどうにも埋まらない時にとりあえず書いとけレベルでとのことでした。
情報ありがとうございます
おしゃるように、重篤な危険源を見逃したり、過小評価すると合格は厳しいです
行動パターンも細かくしすぎると、限定的になるので発生可能性が低くなり、
結果リスクを過小に見積もりがちになります
滑った転んだは最終手段ですね
初めまして、ダルク様。
会社から受けなさい、と言われ、けど情報が何もなく途方に暮れていて、そしてたどり着いたのがダルクさんちです。
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ケーススタディはダルクさんの言われた文言を暗唱(笑
そして何度も何度も書いて感覚を覚えました。
そして今回合格いたしました!!!!
1発合格です!!!!
どうしても、どうしてもお礼が言いたくて。
本当に参考になりました。
これでプレッシャーから解放されます!!!!w
感謝です!!!!
ありがとうございました。
ひまわりさん
合格おめでとうございます!!
この記事はまさに、
私自身が試験の情報がなくて苦しんだ経験を元に、
受験生の助けになればと苦労して作成したので、
とても嬉しい報告です
ブロガー冥利に尽きます(*´▽`*)
改めて、おめでとうございます!!