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どうもダルクです
私はメーカーに勤務するエンジニアなのですが、
職場で災害が起きたり、
安全対策(正確には危険対策なのですが)をやらされるたびに、
災害の原因について考えてきました
今回ふと自分なりに、
労働災害の本当の原因について考えたので、
シェアしたいと思います
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労災の真の危険源とは
![工事現場の作業員](https://alchemist-of-babylon.com/wp-content/uploads/2023/01/image-8-2.jpg)
製造業にとって、
労災は重大な問題です
「安全第一」という言葉があるように、
古くから日本は建前上安全を重視し、
災害ゼロを目標にしてきました
ですが昨今の安全のための取り組みは、
過剰な対策で業務効率を損なうばかりか、
ほとんど効果もないことをやらされるケースが目につきます
私が経験した事例だと
- カッターで指を切ったからカッターを使用禁止にする
- 階段で転んだ人がいるから全ての階段に手すりを付ける
- 机の角に足をぶつけたから角にはすべてクッションを付ける
といったものがありました
最早過剰ともいえる危険対策ですが
こんなバカげたことまでしても災害を無くすことはできません
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いやもうね、やってられない(;・∀・)
その原因を考えたときに、
私は多くの災害の裏に隠れた真の危険源に気が付きました
本質的な問題に目を向けず無駄な安全対策を強いる環境
![工事現場の作業員](https://alchemist-of-babylon.com/wp-content/uploads/2023/01/image-8-3.jpg)
ます、普段から報告されてくる災害速報を見ると、
しょうもないものが多いのが目につきます
例えば、
- カバーの隙間から指を入れてケガをした
- 電源を切らずに作業したので機械が動いてケガをした
- 無理な姿勢で作業したので腰を痛めた
- 階段で躓いてケガをした
こんな事例ばかりです
この些細な事象を無くそうとして取られがちな対策は、
- 外せないカバーを設備に着ける
- トラブル対応時は電源を落とすと教育する
- 作業中の姿勢を注意するよう教育する
- 階段に全て手すりを付ける、表示もつける
などですが、
もう対応するのも面倒なほど過剰なうえに、
効果がほとんどありません
![ダルク](https://alchemist-of-babylon.com/wp-content/uploads/2020/03/IMG_20200307_185359.jpg)
もうね、いたる所に「危険」と書かれた、
表示だらけですよ(;・∀・)
なぜかと言えば、
結局、災害が起こった背景まで目を向けないと、
本質的な改善にならないのです
災害の原因は心理的な安全性の欠如
先に結論を言うと、
このような些細なレベルの災害の撲滅は、
心理的安全性の確保が不可欠と思います
心理的危険源を解除無くして、
教育や表示といった従来の安全対策(正確には危険対策)では、
達成できません
ここで述べる心理的危険源とは、
切迫感、脅迫館、焦燥感といった心理的ファクターです
効率化を追求して失われた時間的余裕が心理的余裕を奪い、
結果、危険行動や不注意行動を起こすのです
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上にあげたような初歩的な災害は、
心理的な余裕があれば起きないのです
少し解説します
身体的危険を引き起こす心理的危険
![](https://alchemist-of-babylon.com/wp-content/uploads/2023/01/image-8-1.jpg)
ケーススタディをしてみましょう
貴方は生産設備の保全員です
出社すると設備が故障しており、
早急に修理するよう求められました
見たところ、
設備のメンテナンス部を完全に分解すると、
作業はしやすいですが復旧まで5時間かかりそうです
途中まで分解し設備の隙間から手を入れて作業すると、
姿勢は悪くなりますが、2時間くらいで復旧できます
さて、貴方はどうしますか?
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安全教育を受けた人なら、
安全な姿勢で作業するために、
メンテ部を完全に分解するでしょう
ですが、以下の条件ではどうでしょうか?
- このトラブルは突発で本来対応を予定していない
- 他にも予定が入っており3時間後には来客もある
- 生産を3時間止めると関係部署からクレームが飛んでくる
- 本日は締め切りの別の仕事も抱えている
- 残業は認めてもらえない
- そうこうしている間にどんどん電話がかかってきて、
別の案件で煽られる
昔の私の職場でよくあった話です(笑)
あなたはどうしますか?
私の場合は、
自分の身体的リスクと心理的リスクを秤にかけて、
負担の少ない方を選択します
安全意識が低いからとか、
安全教育が出来ていないからとかではなく、
心理的安全が脅かされると人は危険行動を許容してしまうのです
先の災害事例もそうですが、
時間的余裕があり、心理的に追い込まれていなければ、
人は電源を切って作業するし、
動いてる設備に手を入れたりしません
”止められない”から危険を冒すのです
重いものを無理して持つとか、
台車に積み荷を積みすぎてひっくり返すとかも同様です
煽られてなければちゃんとクレーンやフォークを使って重量物は持つし、
時間に余裕があれば数回に分けて台車で運ぶでしょう
結局、不安全行の元凶は、
時間的拘束から来る心理的脅迫感なのです
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安全に対する投資は、
意味のないカバーや表示を付けるのではなく、
時間的余裕を与え、
心理的不安を取り除くことに当てるべきなんです
しかし経営層が見えやすいもの、見たいものにしか目を向けないので、
無意味な教育と過剰な対策、
誰も見やしない表示だけが増えていくのです
マルチタスクという名のながら作業
現場でよくある災害には、
先述した焦った結果によるものと単純な不注意によるものがあります
この原因の多くはマルチタスクの弊害です
マルチタスクとは一度に複数のタスク(仕事)を並行して行うことで、
マルチタスクスキルは時間的制約が多く、
効率を追求する現代社会において、
重要なスキルともてはやされることすらあります
ですがマルチタスクを言い換えてしまえば、
単なる”ながら作業”にすぎず、
並列処理をすればするほど目の前のタスクの注意は散漫になり、
不注意による災害リスクが高まります
生産現場では「指差し呼称」といって、
目の前の作業に集中するための意識付け行動がありますが、
これはマルチタスクと対極の行動であり、
はっきり言ってしまえば、
本来現場でマルチタスクなどしてはいけないのです
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マルチタスクをしすぎて災害が起きるのも、
根本は時間的余裕のなさからくる焦りが原因です
まとめ:効率化を追求する時間的な余裕のなさが労働災害の元凶
まとめると、
労働災害の真の原因は、
切迫感、脅迫館、焦燥感といった心理的危険源である
こうした心の不安定が原因で、
心理的危険が身体的危険を上回ったとき、
人間は身体的危険行動を選択してしまいます
これらの心理的不安定な状態を生み出すのも、
マルチタスクなどの”ながら作業”による不注意を誘発するのも、
効率化を追求しすぎた時間的な余裕のなさが元凶
ということです
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焦ってなくて不注意でもなければ、
誰も階段に躓かないってことです
いくら表示したって、
切羽詰まった人間は表示なんか見ません
従来型の無意味な安全帯対策よりも、
するべきは業務に”余”を与えることなのですが、
経営者がそこまで現実を見ることが出来るかは、
甚だ疑問ですね
![ダルク](https://alchemist-of-babylon.com/wp-content/uploads/2020/03/IMG_20200307_185359.jpg)
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